数か月前にMicrosoft 365 開発者プログラムが使えなくなったという話が X(旧:Twitter)のタイムラインで流れていました。最近になって Microsoft の MVPの方が「Visual Studioのライセンスが無いとM365 開発者ライセンスって取れなくなった?」という投稿をしていたので気になったのと、某社向けの資料作りの必要なタイミングが一緒だったのでまとめてみます。
経緯
2024/3/31 で Office 365 E3 Developer(Office 365 開発者ライセンス)の終了というニュースがありました。私の周りでも古くから Office 365 の検証を行っている方はこのニュースを境にMicrosoft 365 E5 Developer に変更をしたようです。
単純にライセンスを追加する対応ではなく既存テナントの削除してから新規でテナント作成が必要になるため、再度検証環境を構築する手間を惜しんで終了のニュースが出るまで環境を使い続けたという人が多いように思います。
リアルタイムで見ていなかったので私は知らなかったのですが、上のニュースとほぼ同じタイムラインで Microsoft 365 開発者プログラムについてのニュースがあったようです。
参考:Stay ahead of the game with the latest updates to the Microsoft 365 Developer Program
英語のサイトですので、Edge の Copilot に「日本語で要約して」と依頼してみました。
このページの要点は以下の通りです:
Latest updates to the Microsoft 365 Developer Program
- 開発者サブスクリプション制限: Microsoft 365開発者サブスクリプションは、Visual Studio Enterpriseのアクティブなサブスクリプションを持つ開発者や組織に限定されています。Copilotライセンスをアドオンとして購入するオプションもあります。
- プログラムの利点: Microsoft 365 Developer Programは、Microsoft 365プラットフォーム向けのソリューションを開発するためのリソースを提供します。1これには、Microsoft 365 E5開発者サブスクリプション、サンドボックス環境へのアクセス、開発ツール、ドキュメントが含まれます。
- セキュアフューチャーイニシアチブ: サービスプランの更新、地理的制限、更新チェックの頻度増加、Microsoft Office 365 E3 Developerオファーの削除、新しいサービスへの早期アクセスなど、プログラムの改善が行われています。
- 開発者リサーチパネル: Microsoft 365開発者の意見を反映し、プログラムの開発を導くためのリサーチパネルが設立されました。参加することで、プログラムの改善に対する提案を提供できます。
公式文章を検索してみると 2024/05/03 が最終更新ですがやはり同じような内容です。
Microsoft 365 開発者プログラムは、Microsoft 365 プラットフォームでソリューションを構築する開発者向けのリソースです。 プログラムは、資格のあるメンバーにMicrosoft 365 E5開発者サブスクリプションを提供します。 認定プログラム メンバーとして、開発者サブスクリプションを使用して、運用環境に依存しないソリューションを構築できます。 Microsoft Graph、SharePoint Framework、Power Apps などを使用して、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、または SharePoint ソリューション用の Microsoft Teams アプリ、Office アドインを構築できます。
Visual Studio Pro または Enterprise サブスクリプションをお持ちですか? お持ちの場合は、プログラムに参加して他の特典も活用しましょう。詳細については、Visual Studio に参加 を参照してください。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/office/developer-program/microsoft-365-developer-program
リンクがあるので踏んでみます。画面上部の方では Visual Studio サブスクリプションが必要であるという内容なのですが、中ほどをみると違う記述がでてきます。
開発者プログラムに直接参加する場合、Microsoft 365 E5開発者サンドボックス サブスクリプションは、開発アクティビティに応じて最大 90 日間有効であり、認定されたアクティビティに使用する限り、定期的に更新されます。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/office/developer-program/join-with-visual-studio
これを読んで私は悩みました。
これって今までと何が違うんだ?同じじゃない?本当にできなくなったの?
ということで検証してみます。
検証
Microsoft の パートナーである会社のドメインでは出来ました。
ネットの情報から作れないかなと思っていたので画面キャプチャーなどは取っていません。手順が知りたい方は過去の資料とはなりますが下記の記事をご参照ください。
注意点
誤家庭ドメインで以前に Microsoft 365 開発者プログラムに申し込んでいます。今回は別のドメインで新しく申し込んでおり、同じ携帯電話の番号での登録はエラーとなりますので、携帯電話も別に用意しました(私はpovo申し込みました。翌日に届いてびっくりしましたw)
過去にMicrosoft 365 開発者プログラムを使っていた方は電話番号でエラーとなるケースもあるかと思いますのでご注意ください。
まとめ
Microsoft の パートナーである会社のドメインである場合は Microsoft 365 開発者プログラムは引き続きなにもせずに使えるようです。※検証結果としてであり保証するものではありません。
Microsoft アカウントの場合は使えないという話を何名かから聞いていますので、このパターンは難しいようです。
2024/7/22追記
Twitterでいろいろやりとりがあったのでまとめてみます。
問題となっている記事(上に書いてあるのと同じです)
Stay ahead of the game with the latest updates to the Microsoft 365 Developer Program
日本語訳
「Microsoft 365 開発者サブスクリプションへのアクセスは、Visual Studio Enterprise のアクティブなサブスクリプションを持つ開発者および/または組織に制限されています。次の Microsoft AI Cloud パートナー プログラムの 参加者は、Microsoft パートナーに連絡して許可リストに追加され、開発者サブスクリプションにアクセスできるようになります。
・ISV Success
・Solutions Partner
・Specialization/Expert
・Managed Partners
・Premier or Unified Support plan members」
直訳すると 「Visual Studio Enterprise のアクティブなサブスクリプション and 特定の Microsoft AI Cloud パートナー プログラムの 参加者」と見えます。
ただ、私の今回の場合はそのいずれでもなかったのでなんでできたのでしょう!?(その後すぐにSolutions Partner になったのでいまは許可されていれば条件に一致するのですが、、、)
実際のシチュエーション
①自分にVisual Studio Enterpriseのライセンスは振られていない
②該当のパートナーではない
③別のパートナーではありそのドメインで登録した
上記でもできたとなると「(英語の)and/or」の部分に該当して、Visual Studio Enterprise のアクティブなサブスクリプションを持つ組織だったのでライセンスを付与されていなくても使えたということなのだろうか!?
現時点のまとめ(ブログ文章からの理解)
①Microsoft アカウントのユーザーなど一般の方は使えなくなった。
②利用するために Visual Studio Enterprise を購入する方法がある(1つでいい?)
③利用するために Microsoft AI Cloud パートナー プログラムの特定の参加者である必要がある。ただしMicrosoft パートナーに連絡して許可リストに入れてもらう必要がある。(特定タイミング以降は勝手に許可リストに入る?)
この②と③が and なのか or なのかもモヤモヤしてますが、少なくても Solutions Partner の場合は特典で Visual Studio Enterprise のサブスクリプションが付くのでどちらにしても問題はクリアされるので他のパートナーランクも同じなのかなと思っています(そこまで調べていない)
ネットのほとんどの記事が②だけしかないということで、よく読みもせずに試したらできたのでできるシナリオはあるよと書いたのですがちょっと根が深そうです。言葉足らずだったので誤解させたケースもあるかと思いますが本当に申し訳ございません。わかり次第追加で情報を書いていきます。
2024/7/23追記
開発者アカウントをつくることまでは MSA などでもできるので私が勘違いしているのではないかと思う方もいると思うので説明すると下記の通りですのでサブスクリプションも処理されています。28日経過しているというところからも6月中に作ったということは推測できるかと思います。(延長は1回もしていないというのは信じてもらうしかないわけですが、、、)
実は問い合わせをしており1次回答はきたのですが想定外の回答が来ていたりします。整理しないと余計に混乱しそうなので情報は控えることにして全体的な回答がそろったときに再整理したいと思います。
メモ:Microsoft Action Pack の中の「Microsoft Visual Studio プロフェッショナル サブスクリプション」が関係しているという仮説を追加確認中。
2024/8/2追記
ようやく新規条件に付いては明確になりました。結論と経緯を少し書いていきます。
結論としては Microsoft 365 開発者プログラムの FAQ の Microsoft 365 E5 開発者サブスクリプションの資格は誰ですか? が条件であるというのをパートナーセンターのサポート担当とようやく認識が合いました。
内容を要約すると下記のどれかに該当することです。(AndではなくOrです)
① Visual Studio サブスクリプションを持っていること
② ISV Success パートナーであること
③ 下記のいずれかの参加者であり、かつ許可申請をだすこと
・Azure Expert MSP
・従来の Gold/Silver
・マネージド パートナー
・Microsoft Action Pack
・パートナー起動の利点
・パートナー サクセス コアの利点
・パートナーの成功の拡大された利点
・ソリューション パートナー
・特殊化パートナー
・Premier または Unified サポート プラン メンバー
URLに記載されていない内容(内容としては③を別の言い方をしている)
・Microsoft AI Cloud Partner Program のメンバーシップオファーを、ご購入いただいていること。( Solutions Partner・Microsoft Action Pack Subscription など )
・メンバーシップオファーのお支払方法が、課金プロファイル ( クレジットカード ) であること。
あらためて記載すると一般的なユーザーの方が勉強目的に使うシナリオはなくなりました。
通常の上記の条件をクリアできないパートナーは CDX という選択肢で勉強をすることはできると思いますので、念のために記載しておきます。
許可申請とは何か?
【Microsoft 365 開発者プログラム: 資格審査】のURLから申請をするかパートナーサポートにメールをすることで対応いただけるとのことです。その際に申請ができるドメインにも制約がありますのでURLでご確認ください。
・無料メールはダメ
・onmicrosoft.comドメインはダメ
・firstname.lastname@domain.comもダメ ※これ本当!?と思うが検証予定はない
以前利用していた人向けの対応
以前から利用していたが、期限切れになってしまった場合に更新できるかどうか(引き続き同じ環境で利用できるか)につきましては、Microsoft 365 Developer Portal のサポート窓口へメールにてご相談することもできるそうです。メールアドレスの記載は避けますが個別に連絡いただければご回答は可能です。(検索してもすぐにでてこないので)
調査が難航した理由(問い合わせ時の問題)
一言でいうとMicrosoftの本社と日本の間のコミュニケーションミスです。原因はあるあるなのですが、私の場合は実際に使えたという点と今後ほかの人間が使えないと困るという点から掘り下げたので、別の観点から本社への再確認を行っていただいて正しい答えにたどり着いたというものです。
問題は③の部分で有償ライセンスが必要であるという過去の経緯があったそうで問題が拡散したのですが、過去の経緯はもう調査しなくてよいので(他社も影響するので)新規の条件だけ確認してほしいということできれいな着地ができました。
謝罪はいただきましたが、むしろ真摯に丁寧に対応いただいて本当に感謝をしています。古いものから新しいものになるときは思い込みなどもありますし、変化というのは非常に難しいなというのを改めて感じました。
いまだにわからない点
最初に書いた私のアカウントはなぜ申請もなしに利用できたのかという点です。そのドメインのことを書くと一部にご迷惑をかける可能性も0ではないので詳細は書きませんがいまだにわかりません。実際にこれから作る場合の内容を把握しておけばよいわけで、条件をクリアして何の懸念もなくなりましたので調査はここで終了する予定です。
URLの記事も私のやり取りのせいかわからんですが修正されていたりするのでわかりやすくなってなによりです。