トレイン・ザ・トレーナーを受講してみた

早いもので受講完了してから1か月が経過したのですが、昨年の12/24-12/27にトレノケート株式会社の「トレイン・ザ・トレーナー」という研修講師養成講座を受けてきました。

私はもともと情シスをしており、新入社員研修や中途社員研修といったものやシステム導入時や変更時に講師役をやることは多かったですが、当時の上司にきついダメ出しの経験と本を3冊読んだぐらいの勉強しかしたことありませんでした。SIer や ISV といったサービスを提供する側に転職してからは顧客の情シスや実利用者に向けてシステム説明などをするケースも多かったのですが、人に伝えるという観点で勉強した経験はありませんでした(サボっていただけです)

ここ数年はエンジニアというよりもプリセールスやコンサル的な立ち回りを求められることが多く「短時間で人に伝えることや正しく理解してもらうためにはどうしたらよいのか?」という課題があり、昨年からフリーランスになったので時間を作って勉強してみようと思って受講してみました。MCTといわれる「マイクロソフト認定トレーナー」となるために必要な条件となっているということもあり、とりあえずなれるものにはなっておくかと考えて受けたというのもあります。

トレイン・ザ・トレーナーとは?

オフィシャルサイトを見ていただくのが早いのですが、簡単にご紹介していきます。

冒頭で書いた通り「研修講師養成講座」というサブ名称(?)がついています。期間としては4日間で各日9:30~17:00であり、金額は220,000円(税込)の講座です。

形式としてはオンラインと東京の新宿にあるトレノケート株式会社でのオフラインの2つがあります。参加者同士のコミュニケーションの量や講義から得られる情報量はオフラインのほうが確実に多いだろうということで私はオフラインでの参加を選択しました。
※WEBの場合は上記がデメリットになるため、ほかのメリットを出すように考慮されているというお話を聞いたのだがどういう内容なのか気になっている。

12月に担当している顧客でのシステムリリース予定があり、10月や11月は会議や作業で難しいために年末ぎりぎりにリリースすることはないと考えて、12/24-12/27の日程を選びました。ふたを開けてみると12/21-22がシステム変更で12/23に現場立ち会いをしており、バタバタの中で講座に参加でした。昼休みや終了後は作業していましたし、2日目以降は講師より早く会場入りして仕事してたなんて状況で集中できているかというとちょっと怪しかったかも……

クリスマスイブから一般的な企業でいうところの最終営業日(土日が休みの会社は28日の最終日が多かったと思われる)までというスケジュールなので「あまり人がいないかな?」と考えていたのですが、実際は講座で想定しているMAXの人数にほぼ近いという状況でした。

他の受講者の方の特定やご迷惑にならないだろう範囲で書いていくと、新卒の方から役職のある方まで幅広い年齢の方が参加しており、男女比は6:4ぐらいでした。MCTを取得することを考えているのは私含めて2名で、参加者は企業の中で講師業をされている方がほとんどでした。私のようなエンジニアが若干いたのと、IT職以外では事業会社のバックオフィスで社内に向けて説明する機会が多いので参加したという方もいました。

講座の振り返り

基本的に参加者も基本的には講座をもってお話をするような講師であったりその予備軍です。講座の中では受講者として体験している様々なテクニックも解説されるので非常にわかりやすいというのがあります。自分で講師としてやらなくてはいけないことを「(講師が)やってみせ」「(講師が)解説をして」「(演習で)体験する」という内容です。

演習が白熱してしまったりで想定スケジュールに遅れた日もあったのですが、このように今回は対応しますという話をされたぐらいで、講座をうまく回すための実例なども考え方や対応方法のパターンなども説明していただきました。

私の参加した回は講座で想定しているMAXの人数にほぼ近い状況でしたが、様々な体験をするような演習がたくさんあるカリキュラムなので参加人数によってかけられる時間が違います。数による違いであったりテキストにはない講師の方の過去の経験や考え方をいろいろ聞けたのが本当に勉強になりました。

「どんな内容?」と思われる方もいると思うので大項目を転記してみます(興味を持ったらサイトを見てください)

学習を始める前に
まとめとふりかえり
成人学習
研修準備:学習目標の設定方法
研修準備:教育手法の選択
研修準備:教授戦略プランの作成
研修の進め方
具体例と喩え話
発問の有効利用
効果的な質疑応答
視聴覚教材の作成と活用
プレゼンテーション演習(動画撮影あり)
研修内での様々な問題解決

引用元:トレイン・ザ・トレーナー ~研修講師養成講座~

私が受けたセミナーからは印刷してテキストを渡すように変更したそうです。テキストをもらったときにこれで「4日間かかるのか!?」と思ったのですが、講師だけではなく参加者が経験を話す機会もありましたし、様々な演習があったというのもありますし、それぞれの項目を掘り下げるために思った以上に時間がなくインプットが多かったという感想です。(2日目からは自分が教わったことを頭で整理されていない中で演習が多かったので結構きつかったですw)

講座そのものを総括すると、講師として必要な要素や内容の本質的なところを洗い出して理解できているところと出来ていないところを整理して、正しく理解するという内容だったように思います。

有償セミナーなのであまり内容を書かないほうが良いかなと思いながら、個人的にショック(当然のことなのですが衝撃だった)を受けた内容を少しだけ書いてみます。

成人学習における「学習者が興味を持った時に必要性を満足させる情報を与える」という説明の際にエンジニアあがりの方は私と同じような反応をしていたように見えました。

エンジニアあがりの場合には作業スコープや責任の有無を明確にすることが必要という風に教育されることが多いと思います。そのため実際に同じような問い合わせがあった場合に「以前も説明差し上げましたが……」とか「先ほどご説明した通りで……」のような言葉を付け加えて話すことで以前に説明しているためにこちらに非がないことを伝えてリスク回避をすることがあるかと思います。

これは講師目線でみるとまったくのNGであり、説明をしていても学習者が認識をした部分から説明をするという手助けが必要なので、上のように学習者に非を感じさせるような言い方はよくありません。

先日のAppleの製品発表だったかと思いますが、最後に質問を受けた際に先ほどの説明の内容のそのものだったというのがありました。回答としては「素晴らしい質問をありがとう」といった言葉からはじまり全く同じ説明をしていて「質問者がひどいな」という感想を思ったのですが、これも同じ観点だったのかなと思いながら話を聞いていました。

「エンジニアに求められているもの」と「講師に求められているもの」が明確に違うので、ロールによってちゃんと勉強しなくてはいけないし、わかったふりをしてはいけないというのを40を過ぎたおっさんは改めて痛感させられました。

受講する方が気になるだろうと思われる部分を記載すると、この講座の4日目は10分のプレゼンテーション演習(リハーサル含む)をするのと、そのプレゼンを聞いてフィードバックをするというのがメインとなります。そのためプレゼンの準備が必要になります。ほとんどの参加者は講師業をされているので業務で使っている資料を抜粋して使っていたのですが、私はあわてて1時間ぐらいで資料を作ったのでひどい品質だったなというところが反省点ですw

実際のフィードバックはお褒めの内容が多く、講師の方からも評価事項としては全部良い(敬語の使い方のミスや口の使い方のアドバイスなどはあり)という評価だったので一安心ですが、自分で録画を見ると太りすぎて見た目がとても悪いなと思ってガチでへこみました。WEB登壇が増えたり長時間のセミナーだと座りながら行うことも多いのでごまかせていたのかなと思いますが、やはりダイエットしなくてはだめだなとorz

あとはリアルタイムでX(Twitter)で書いたのですが「なぜ講師にマシンガントークの人がいないのか?」というのも論理的に説明できるようになりました。人より早口なので普段から気を付けないとダメだなと反省しました(登壇などの時は意識して遅くしてる)

最後に

この講義を若いときに受講していたらキャリアが大きく変わっていただろうなと思うような内容でした。40を過ぎて受講したために社会人経験があるからこその良い面や悪い面もあるかと思いますが、やはりある程度は早めに理解したり勉強する機会があったほうが良いなと感じました。

今回の参加者はおそらく私以外は会社のお金で参加しているのかなとみていますが、自腹を切ってでも参加した意味はあるのかなと思っています。向上心がある方や自分の悪いところを改善しようという方には強くおススメしますが、プライド高い方や人の意見に流される方は合わないかもなとは思いました
(愛のあるダメ出しを素直に受け取れない人はそもそも講師に向いていないと思うけど……)

なお、MCTの申請は1/29現在まったく動きがありませんw

MCTになりたい方向けの参考

なんでもCopilotの主催の一人である「みかんさん」も同じセミナーを私より数カ月早く受けてMCT登録されているので記載しておきます。

MCTへの道:トレイン・ザ・トレーナー1日目
MCTへの道:トレイン・ザ・トレーナー2-4日目
MCTへの道:MCT(マイクロソフト認定トレーナー)手動登録

タイトルとURLをコピーしました