久々に掲題のようなことを考えなくてはいけない状況があったので、また同じことが起きたとき用にブログとして記載します。個人の考えなので「こういう考えもあるんだね」ぐらいの温かい目で見てください。MCP試験そのものの詳細は以前に下記のような記事を書いているので(近日改訂版は作る予定)この記事としては触れませんのでご了承ください。
試験補助の考え方
こちらもどういう考え方があるのかという部分は過去にブログ(ISVの元現場責任者が考える資格について)で書いているので割愛しますが、会社として補助をすることに決まったという前提で記載をしていきます。
補助をするにあたって予算や申請フローなどの話などに目が行きがちですが、私の場合は受かってほしいというのが先に来るので積み上げ方式で考えていきます。
①どうやって勉強をするのか?(準備のフォロー)
②テストを受けるための支援はするのか?(本番のフォロー)
③受かった場合にどうするのか?(合格時のフォロー)
④落ちた場合にどうするのか?(不合格時のフォロー)
⑤報奨金はどうするのか?(モチベーションを上げる施策)
過去に私が設計していない会社でも資格支援がそれなりにされていたのですが、大筋で同じような考え方だったように思います。
どうやって勉強するのか?
会社側からすれば何らかの目的(パートナー要件/入札要件/会社のバリューアップの一環など)で取得取得を補助するので、その中で得た知識や経験という部分も重要ですが、やはり合格してほしいというのが本音なわけです。
「資格受かったらお金出すよ!」というのが一番最初のスタートではあるわけですが、勉強方法もわからなかったり、勉強するために結構な費用がかかるというのであれば、なかなか受けるというモチベーションにはつながらないことが多いです。※SIer などで企業文化ができていたり、資格取得経験者の場合はあまり支援しなくても自走するのですが、新規だとなかなか難しいというのが経験則です。
そこで追加の支援をするのですが、資格取得までの流れや勉強方法といったものを支援することが多いです。マイクロソフト でも Enterprise Skills Initiative(ESI)といった制度でこのあたりの支援されているわけですが、この制度を使うための要件もあったりでなかなか一般企業としては利用するのが難しかったりします。(ESI のサイトだけ見てもちょっと、、、げふんげふん)
そこで私はいつも下記のような資料作って対応しています。(ESIがある場合もそれよりもスコープが広いものを作っています)
①試験の申し込み方や本番の注意点のまとめ
②MCPのそれぞれの試験の概要
③MCPの試験のための勉強方法のまとめ
今回は③やその前のどこまで会社として支援するのかという部分の提案資料などを作る必要があったので、頭の整理がてらブログを書いているという背景があったりしますw
タイトルには勉強方法とありますので、それの答えを書くと大きくは下記になると思います
・Microsoft Learn
・外部セミナー(基本的にマイクロソフト認定トレーナーであるMCTがあるので上の内容になる)
・動画サイト(Udemyなどを使うケースが多い)
・資格対策本
・資格対策サイト(マイクロソフトのルール違反しているものが多いですw)
※今回はそれぞれの内容を細かくは触れません
どこまで支援するのか?
続いてどこまでを金銭的に補助するのかという部分を検討する必要があります。
外部セミナーとなるとそれなりの金額がするため条件なども検討するでしょうし、動画サイトや資格対策本の補助をするのかどうかなどが議論のポイントになると推測されます。(ちなみにマイクロソフトのパートナーであれば無償のトレーニングもあったり、パートナーの資格取得支援などで個別トレーニングをしてくれるなんてものもあったりします)
実例としては大掛かりに資格取得を促進していくなら個別トレーニングを会社として依頼したりしますが、私の周りの場合は部署の予算として個別対応として、全社向けの教育予算から出るというのはあまりなかったように記憶しています。(PMPなどほかの資格は別です)
そのため個人での勉強となるので動画サイトや対策本という部分が勉強のメインとなるため、支援の検討が必要なのですが、こちらも全く支援しないという会社から、常識の範囲内で全額OKとする会社も様々です。ちなみに試験ごとに予算を決めるものや、特定の動画に限り支援するなどより細かい会社もありました。
続いて検討しなくてはいけないのは試験代です。
そもそもMCP試験はベンダー試験のために一般的な試験よりも高額です。そのため支援をしないとなかなか受けないという傾向は強いと思います。(こちらもパートナーの場合は半額とかの支援がある)
受かったら支援するというものから合否に限らず1回に限り支援するといったものが多いようですが、ここに関してはMCPの場合の特別なものがあるので私はいつもこれを採用するようにしています。
『Exam Replay』とは?
Exam Replay の金額を調べていて、ちゃんとたどり着く人が少ないだろうなと思ってブログを書いたというのがあります。
この Exam Replay は 同一資格に限り、不合格だった場合にもう1回受けられるというものです。初回で合格だった場合にほかの試験は受けられませんし、不合格が2回続いた場合はそれでおしまいです。金額的にはプラス数千円ですが、1回2万円以上するテストですので保険としてはよい内容だと思いますw
試験の種類問わずに何回か受けて傾向をつかんでから合格するというスタイルもあるかと思いますが、ベンダー試験は高価なのでそれをやられると企業として困ったというケースがあったのと、何らかの都合で試験前に時間が取れなくなった(業務都合の可能性もある)などもあるので1回ぐらいは会社としてフォローしてあげた方がよいと考えてこの費用は補助するということで合意するケースが多いです。
マイクロソフト公式のサイトに下記のようなものが書いてあるサイトがあるのですが、リンクが古いので今回はそのURLは貼りません。それぞれの会社の該当のサイトを記載していきます。
アイエスエイ:https://www.isa-onlineshop.jp/
エディフィストラーニング:https://www.edifist.co.jp/campaign/archives/62
トレノケート:https://www.trainocate.co.jp/elearning/elearning_details.aspx?code=MSX0532V
飯田ビジネス学院:現在販売していない
※トレノケートだけ今も買えるリンクでしたw
報奨金はどうするのか?
報奨金は会社が資格支援する理由次第で考え方が大きく変わると思います。私の場合はSES/SIer/コンサルといった職種で何社か自分が所属をしてきたのですが、基本的に人件費として顧客から費用をいただくようなビジネスモデルであり、資格があることにより単価を上げることができるというのがベースにあるので、モチベーションアップのために出していたというのがほとんどです。
金額はまちまちですが、報奨金目当てに勉強しないでも取れるものを取っていくというシニアクラスのお小遣い稼ぎをどこまで認めるのかという点で一定のルールを設ける会社などもありました。
最後に
4月は新卒だけではなく転職であったり異動などで新しく業務に携わる方も多い時期です。GW前ぐらいにトレーニングマテリアルなどを公開してくれる企業がありますが新卒や初学者向けなので、ある程度経験があってマイクロソフトを深く勉強しようとすると悩むという意見を聞いたりします。
マイクロソフト製品を扱うベンダーの多くは MCP の資格取得を推奨しているという実情から、同業を真似するという側面やベンダーに適当に扱われないために勉強するなどの側面からもそれなりに使える勉強方法かなと思います。
雑記:Entra ID はどこに問い合わせるとよい?
情シスSlackで Entra ID を学ぶためには AZ-900 と SC-900 のどちらがいいですか?という質問を見ました。
実際の情シス業務(Microsoft 365 の管理の場合)となると SC-100 / SC- 200 / SC-300 /SC-400 / SC-900 / MS102 / MD-102 あたりが複合的に交じりあうと思います。最初に勉強する際に、Fundamentals の中で Entra ID を学ぶという意味では SC-900 となるのですが、これは Entra ID は Azure / Microsoft 365 (厳密にはほかにも使われている)のどちらの側面で勉強する方がよいかという質問にも見えます。
過去にこんなやりとりがありました。FastTrack のMicrosoft 365 と Azure 担当の両方がいる打ち合わせでの一コマ(意訳)です。
Azure 担当の方:Entra ID の詳細な機能となると Microsoft 365 側の担当の方が向いていると思う。開発の視点からの質問の場合は Azure 側の方が適切だが、機能そのものとなると Microsoft 365 側の方が知見がある。内部的に相談していますので質問するのはどちらでも大丈夫ですが、お急ぎの場合はこの観点をご理解いただければと思います。
上記のように整理しておくと今後何かの役に立つかもしれません。